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WS.2 日本語でらくがき。


日本語でらくがき。 フライヤー画像

WS.2 「日本語でらくがき。」

【開催日】

2016年11月21日

【活動後期】

三十一文字で詠う「短歌」という文化の歴史は古く、7~8世紀頃から所謂「和歌」として日本人に親しまれていた。

現代においては、俵万智さんや穂村弘さんといった歌人たちが登場し、日常会話で使われる言葉やカタカナが巧みに綴られた「現代短歌」なるジャンルが確立されていった。

かく言う私も、15歳の時に出会った現代短歌に魅了され、言葉が欲しくなった時には夢中で歌集の言葉をなぞったものだ。

短歌の三十一文字という制限は心地よいリズムを刻んでくれるから、ちっとも苦しくない。言葉も専門的な知識を要さない身近な言葉だから、すっと馴染んでくれる。

こうして現代短歌の特徴をあげてみると、現代短歌が、実は日本人の誰にとっても楽しめるものであることに気づいた。しかし、私の知る限りでも、日頃から短歌に触れている人はそう多くない。そこで、現代短歌というものを知らなかった人に、現代短歌に触れて言葉で遊んでもらうべく、今回のワークショップの開催を計画した。

イベント当日は、東京学芸大学の初等教育教員養成課程 国語科選修の学生さんにも協力いただいて、会の進行を行った。

口語調とはいえ、短歌のリズムにのるのは初めての参加者もいるため、いきなり短歌を詠んでみましょう、ということはせずに、以下のような2つの工夫をした。

ひとつめは、『あなうめ短歌』。虫食いのように一部が空欄になった短歌がのっているくじを参加者の方に引いてもらい、空欄に入る言葉を考えることで、歌を詠む練習とした。

ふたつめは、『リニューアル短歌』。古の和歌を現代語訳したものを参考に、現代的な表現で書き直すというものである。これは、やや難しかったようで、紹介するにとどまった。

最後には、参加者全員が自分の詠んだ歌を和紙に筆ペンで書き綴り、栞を作った。

会の初めに行ったアイスブレイクは参加者たちが己の生活での出来事を紹介するものであったことも影響してか、自分の感じたことや体験した出来事を詠んだ参加者が多く見られた。

言葉というツールは意思疎通の手段といてのみならず、自己表現の方法の大切な方法の一つである。

短歌を使えば気軽にその練習をすることができるのではないだろうか。この短い詩の中に、比喩表現・体言止め・引用表現……様々な修辞表現が詰まっている。さらには、たった一文字の助詞によって変化するニュアンスすらも気になりだしてしまうのだから、面白い。また、この字数制限は、自然に言葉を選別して表現を洗練させることを学ばせてくれる。

学校教育の現場で、短歌を使った国語あるいは自己表現の授業をしてみることも今後あるかもしれないと感じる。

ここまでの記述やフライヤー画像に載っている短歌を読んで現代短歌に興味を抱いた方は、ぜひ歌集を手に取って、言葉を味見してみて欲しい。


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